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ランディングページの効果とは?ランディングページの役割と制作する際の注意点

作成者: 河村 郁恵|2022/12/12(月)

Webマーケティングにおいて、CVを効率的に獲得するために活用されるのが、ランディングページ(LP)です。

本記事では、ランディングページを制作・運用するにあたっての基本的な考え方とその役割を解説した上で、その効果を最大化するための制作・運用時の要点をまとめます。ランディングページを運用しているものの、はっきりとした効果が感じられないという場合、どのように改善していけば良いかの参考になるはずです。

 

  1. ランディングページとは?
  2. ランディングページの効果とは?
  3. どんな場合にランディングページが必要?ランディングページの目的と役割とは?
  4. ランディングページを制作する場合の注意点
  5. 良いランディングページを制作するためのポイントとは?
  6. ランディングページの特徴を押さえ効果を引き出す

 

ランディングページとは?

ランディングページ(Landing Page)とは直訳すると「着地するページ」で、「LP」とも略されます。ランディングページを広い意味で捉えると、Webサイトにおいてユーザーが「最初に訪れるページ」を意味します。

しかし、Webマーケティングにおける「ランディングページ(LP)」とは、多くの場合、もっと限定した意味を持ちます。それは、会社サイトやサービスサイトなどとは別に制作されるWebページであり、縦長1ページのデザインであることがほとんどです。

ランディングページの運用目的はCV獲得に特化しており、外部リンクは最低限に抑えられます。また、検索ではなく広告からの流入を主としています。そのため、検索キーワードを意識する必要がなく、画像が多用されます。また、すべてのユーザーに同じランディングページを表示するのではなく、セグメントごとに異なるランディングページを制作して、Web広告とセットで運用します。

会社サイトやサービスサイトなどの一般的なWebサイトは、複数のページから構成されており、Webサイトを訪れるあらゆるユーザーに対して網羅的に情報を提供する役目があります。そのため、Web検索からの流入が重要で、SEOを意識してキーワードを選定した上でコンテンツを作成する必要があります。その分、ターゲットを絞ってCVに導くことが難しくなります。そこを補うのが、ランディングページです。

実際のランディングページ例については、以下の記事も参考にしてください。

BtoB商材のLPおすすめ事例10選:2022年10月版

 

ランディングページの効果とは?

  一般的なWebサイト ランディングページ
ページ構成 複数のページから構成される 縦長1ページのデザインが基本
主な流入経路 Web検索など Web広告など
その他の特徴 すべてのユーザーに同じ内容を表示 ユーザーごとに表示内容を切替可能

ランディングページの効果としては、大きく以下の3点があげられます。上表のような、一般的なWebサイトの違いも踏まえ解説します。

 

ランディングページの効果その1)CV数を増やす

ランディングページは、CV獲得に特化した施策です。ランディングページを活用することで、CV数を増やすことができます。

会社サイトやサービスサイトなど一般的なWebサイトは、複数のページから構成され、テキスト中心の情報が網羅的に提供されており、適宜外部リンクも設置されています。これらは、検索からの流入増加やコンテンツマーケティングの観点では効果的です。

一方で、そういった一般的なWebサイトでは、異なるさまざまな属性や興味関心を持つユーザーが訪れ、Webサイト内で情報を求めて回遊し、時には外部リンクも参照するため、ユーザーの行動をあまりコントロールすることができず、CVにスムーズにつながりません。

ランディングページは、特定の属性や興味関心を持つユーザーに絞って広告などを表示してランディングページへ誘導し、縦長1枚のWebページで上から順番に、ユーザーが抱いているであろう課題や悩みの解決策の提示、不安や疑問の解消などを行います。

その中で、ユーザーがCVに至りそうな箇所にCTAを設置することで、ユーザーの行動をCVに向けてある程度コントロールできます。一般的なWebサイトでCV獲得を試みるよりも、ランディングページを運用したほうがCV数を増やせる可能性が高いといえます。


ランディングページの効果その2)ブランディングとCV獲得の両立

Web広告からWebページに誘導して効率的にCVに導こうとすると、広告っぽさや宣伝色が強くなってしまいがちです。これは、ランディングページの事例を見ると分かりやすいかと思います。

会社サイトやサービスサイトなどで広告っぽさや宣伝色が強くなることは、ブランディングにおいてマイナスイメージになることがあります。しかし、ブランドイメージを守ろうとすると、CV獲得の効率化が難しくなります。

そこで、ブランディングとCV獲得を両立させるのが、ランディングページです。ランディングページは基本的に自然検索では表示されず、ターゲットとしているユーザーに絞って広告を表示して、ユーザーは広告をクリックしてランディングページを訪れます。

そのため、自然検索などから会社サイトやサービスサイトを訪れたユーザーに対してブランドのイメージを保ちながら、一方でCVにつながりそうなユーザーにはランディングページでCVへの誘導を効率化できます。


ランディングページの効果その3)セグメントごとの訴求を実現

ランディングページは会社サイトやサービスサイトとは別に制作・運用されるので、コンテンツを簡単に変更することができ、複数のパターンのランディングページを並行して簡単に制作できます。

また、ターゲットを属性や行動などでセグメント分けした上で、Web広告とセットでランディングページを運用することで、セグメントごとに異なるコンテンツのランディングページへと誘導できます。

一般的なWebサイトでは、システムやサイト構成によってはコンテンツを簡単に変更することはできるかもしれませんが、セグメントごとに異なるコンテンツを表示することは難しいでしょう。一般的なWebサイトは、基本的に、すべてのユーザーに同じコンテンツを表示するものです。

また、ランディングページは、複数パターンを簡単に制作できることから、ページの一カ所だけを変えてランダムに表示してより効果的なパターンを調べる、A/Bテストも簡単に行うことができます。A/Bテストを行うことで、ランディングページをより効果的なものへと改善することができます。

 

どんな場合にランディングページが必要?ランディングページの目的と役割とは?

ランディングページは、CV獲得を強化したいときに有効な施策です。特に、次のような場合におすすめです。

ランディングページは、Web広告とセットで運用するのが基本です。ユーザーの属性や行動などでターゲットを絞り、ターゲットとするユーザーがCVに至るまで導きやすいデザインや構造となっています。

なお、BtoC商材ではCVを購入とすることも多いですが、高額な商材やBtoB商材では、ランディングページのCVをリード獲得とすることも多いです。その場合、獲得した見込み顧客にさらにアプローチを重ねて契約まで持っていく必要があります。そのため、ランディングページの目的によっては、CVのその後をフォローする体制も必要です。

 

ランディングページを制作する場合の注意点

ランディングページの制作においては、以下の点に注意しましょう。


注意点その1)目的とターゲットを明確にする

ランディングページ制作にあたっては、最初に目的とターゲットを明確にしましょう。これを行なわずにランディングページを制作しても、なかなか効果につながらず、改善も難しくなってしまいます。

ランディングページの目的は、CVを何に設定するかにもつながります。これは、そのランディングページで取り扱う商材によって異なりますが、たとえば、以下のようなCVがあります。

  • 会員登録
  • 資料請求
  • 問い合わせ
  • 見積もり依頼
  • セミナー申し込み
  • 購入 など

また、ランディングページのターゲットとは、どのようなユーザーにそのランディングページを読むことでCVに至ってほしいのかということです。

ターゲットの明確化においては、ユーザーの属性に加え、価値観や趣味嗜好、ライフスタイルなど具体的なユーザー像を想定します。これをペルソナ設定といいます。そして、そのユーザーがどのような課題を持ってランディングページを訪れ、どのような思考・感情の変化を経てCVに至るのかも想定します。

ペルソナ設定は空想で行うのではなく、自社の既存顧客や競合の顧客、市場のユーザーなどできる限りデータを根拠にして設定します。

BtoB商材のランディングページを制作する場合は、以下の記事で解説されている、「BtoB商材のLPの特徴」も押さえておきましょう。

BtoB商材のLPデザイン改善7つのポイント:2022年10月版


注意点その2)基本構成を押さえる

ランディングページの基本的な構成は、業界や商材が異なっても共通しています。ランディングページを制作する際は、基本構成を基にそれぞれの要素にどのようなテキストや画像を入れるか考えましょう。

ランディングページの基本構成については、以下のページも参考にしてください。実際にランディングページの制作・運用の支援を行なっているディレクターからのアドバイスも掲載されています。


BtoBのランディングページの基本構成と制作依頼の進め方

特に重要なのが、ユーザーがランディングページを訪問した際に最初に目に入る「ファーストビュー」です。ファーストビューでユーザーの興味関心を引くことができないと、すぐにページを離脱されてしまいます。

全体に共通するのが、ユーザーの抱えている悩みや課題、それに伴う感情や思考に沿ったコンテンツを作成することです。ランディングページは下へ下へとスクロールして閲覧していくため、スクロールしながらぱっと見て分かりやすい画像やグラフ・表を活用することも大切です。

また、CVに至るボタンであるCTAをランディングページの最後だけでなく、途中にも適宜配置しましょう。ユーザーがCVに至りやすそうな箇所に配置することが重要です。


注意点その3)データを基に改善を続ける

ランディングページは、運用しながら改善を続けることで効果を高めることができます。目標とするCV数を達成できるようランディングページを改善していくことを、「LPO」(Landing Page Optimization=LP最適化)といいます。

LPOでは、目標とするCV数に対して以下のような指標をKPIに定め、目標の達成進度を測りましょう。

  • 広告のクリック数・クリック率
  • ランディングページのPV数
  • ランディングページの平均閲覧時間
  • CV数・CVR
  • CPA

KPIについては以下の記事も参考にしてください。

自社のWebサイト運用のKPIとは?目的別にKPI事例を解説

ランディングページの運用を開始したら、月ごとにデータ分析を行いながら、改善点を洗い出し、一つひとつ改善していきます。改善点の洗い出しについては、以下の記事も参考にしてください。

BtoB商材のLPデザイン改善7つのポイント:2022年10月版

LPの改善を行う際、2パターンのランディングページをランダムに表示して効果を比較するA/Bテストが役立ちます。また、ランディングページのうちどこがよく閲覧されているのかを可視化してくれる「ヒートマップツール」などもあります。

LPOに役立つ分析や改善提案、A/Bテストなどの機能を備えたLPOツールもあり、LPOを効率化してくれます。

 

良いランディングページを制作するためのポイントとは?

【ディレクターよりアドバイス】

 西原 小晴さん
   セールスライター/マーケティングディレクター

 

 

ランディングページは作ったら集客できる、という魔法のページではありません。しかし、「目的が一つ、出口が一つ(購買してもらう・資料請求してもらう等のゴール)」のサイトは、広告をうつ上でもターゲティングがしやすく、ユーザーにとっては求めているものが分かりやすいという利点もあるので、非常にプラスのものと言えます。

明確に「この会社のこれが欲しい!」と思っているターゲットはそういません。なので、悩みを書いて「この商品ならあなたの悩みを解決できますよ」と解決策を示してあげないといけません。競合他社と比較して、自社の商品がどう優れているかも示さないといけません。

このように、LPは「買わない理由を潰していく」ことが大事です。そのためにターゲットのことをとことん理解しようと努めてください。ビジネスは突き詰めていけば「人間関係」とも言えます。良好な関係を築くためにも、LPは一つの大切な施策です。

 

【ディレクタープロフィール】
セールスライター/マーケティングディレクター
西原 小晴
京都府立大学農学部出身。前職は業界3位の印刷会社にて営業、設備管理、ISO、化学物質管理のシステム開発&管理を行う。退職後、化学・建設・環境法規制などの知識を活かして大手企業のコンテンツマーケティング記事の企画、編集、執筆を行う。
現在はコンテンツ制作、リードナーチャリング、セールスライティングをメインとするWEB施策全般を行うコンテンツマーケティングディレクターとして活動中。

【事例紹介】BtoBの営業支援会社のコンテンツマーケティング支援

 

ランディングページの特徴を押さえ効果を引き出す

ランディングページを制作・運用するにあたっては、まず、一般的なWebサイトとの違いを押さえた上で、ランディングページならではの特徴を活かすことが大切です。そうすることで、ランディングページの効果を引き出すことができるはずです。

また、ランディングページは、基本的にWeb広告とセットで運用されるものなので、制作・運用時にはWeb広告のことも考慮に入れて進めましょう。会社サイトやサービスサイト、オウンドメディアなど効果の異なるWebサイトや施策を組み合わせることで、ランディングページでCVを獲得した後の顧客へのアプローチもスムーズになります。

本記事で基本を押さえつつも、社内の体制や知識、ノウハウに不安がある場合は、詳しい専門家の力を借りるのもひとつの方法です。

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