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運用型広告とは?失敗しないための5つのポイント

運用型広告とは?失敗しないための5つのポイント

運用型広告とは、広告主が広告を配信する対象ユーザーや、予算、広告クリエイティブをリアルタイムに変更、反映できるWeb広告です。その特徴を活かし、効果測定をしながら改善運用していくことで、広告出稿の効果を最大化できる点が大きな魅力です。

本記事では、広告運用初心者を対象に、運用型広告の定義や特徴、種類を分かりやすく説明します。また、広告運用に失敗しないための5つのポイントを詳しく解説します。

  1. 運用型広告とは?
  2. 運用型広告の3つの特徴
  3. 運用型広告の課金の仕組み
  4. 運用型広告の種類
  5. 運用型広告で失敗しないための5つのポイント
  6. まとめ:ターゲット設定と日々のPDCAが重要

運用型広告とは?

運用型広告は、広告の出稿主がターゲットや予算を設定し、広告枠を入札して配信を行うWeb広告です。いつでも出稿および停止ができ、配信状況に応じてターゲットや予算、広告内容を自由に変更しながら運用できます。

運用型広告の対比となるのが、純広告です。純広告は広告枠を買い取り、事前に定められた期間、決まった内容で出稿される広告です。

 

運用型広告の3つの特徴

運用型広告の特徴

運用型広告の特徴としては、次の点があげられます。


1.入札制・成果課金で低予算から出稿可能

運用型広告は、配信したい広告枠に対してターゲットや予算を設定して出稿し、広告媒体の基準に基づくオークションにより配信される広告が決定します。広告費は、広告の表示やクリックなど、広告ごとに定められたアクションのタイミングで発生します。
これらの仕組みにより、競合の少ないターゲット設定ができれば、少ない予算でも出稿可能です。また、成果課金型の広告費で、予算の上限を設定でき、出稿はいつでも停止できるので、予算の範囲内で広告を運用していくことができます。


2.こまかなターゲティングが可能

運用型広告は、どのようなユーザーに広告を配信するのかというターゲティングを、こまかく設定できます。年齢や性別、地域などの属性に加え、WebサイトやSNSなど広告の配信媒体におけるユーザーの行動や興味感心なども設定可能です。広告の種類によって、ターゲットとして設定できる条件に違いがあり、各広告の特徴となっています。


3.詳細な効果測定で成果が分かりやすい

運用型広告は、広告の表示回数やクリック率、広告を経由したCVなどの効果、それに伴い発生している広告費を、リアルタイムに確認できます。それらを確認しながらターゲットや予算、広告内容の調整をしていくことで、広告の効果をより高めていくことができます。出稿はすぐに停止できるので、広告費がかかりすぎ、あるいは効果が出ていない広告に広告費をかけ続けてしまうことを防げます。

 

運用型広告の課金の仕組み

運用型広告の課金の仕組み

運用型広告は成果課金型の広告です。課金の仕組みとしては以下があり、後述する広告の種類ごとに定められています。

 

課金方法 課金の仕組み

クリック課金(CPC)

広告のクリック数に応じて費用が発生
インプレッション課金(CPM) 広告の表示回数に応じて費用が発生
視聴課金(CPV)

動画広告の課金方法のひとつ 。一定秒数以上または最後まで視聴された回数に応じて費用が発生

フォロー課金(CPF) SNS広告の課金方法のひとつ。広告を経由してアカウントがフォローされた数に応じて費用が発生
エンゲージメント課金(CPE) SNS広告の課金方法のひとつ。「いいね!」「コメント」などのエンゲージメント数に応じて費用が発生
インストール課金(CPI) アプリインストール広告の課金方法のひとつ。広告を経由したアプリインストール数に応じて費用が発生

運用型広告では、出稿にあたり指定期間の予算の上限を設定します。広告費が予算の上限に達すると出稿が停止して、それ以上の広告費が発生することはありません。

 

運用型広告の種類

運用型広告とリーチできる層

運用型広告にはいくつかの種類があります。主要な運用型広告の種類について、次に解説します。なお、広告ごとにリーチできる層に違いがあるのですが、本記事ではその層を上図のように分類しています。

 

リスティング広告(検索連動型広告)

 

リスティング広告の例

▲リスティング広告の例(画像の赤枠で囲んだ箇所)【Google検索より】

リスティング広告は、検索連動型広告ともいわれ、Google検索やYahoo!検索などの検索エンジンにおいて、ユーザーが検索したワードに連動して表示される広告です。検索結果画面において、自然検索結果の上に表示されます。

こんな場合におすすめ

問い合わせや申込、資料請求など

なんらかのCVを獲得したい

リーチできるターゲット層

既存顧客

顕在層

準顕在層

掲載場所

検索エンジンの検索結果画面

(自然検索結果より上)

課金方法

おもにクリック課金

費用相場

1クリックあたり100円~1,000円

※商材や設定により異なる

リスティング広告は、会社名や商品名、関連するワードを検索したユーザーに対して表示されるので、準顕在層以上のターゲット層にリーチ可能です。自社の商品を知っている、あるいはまだ商品のことは知らないがニーズがあり、能動的に情報を検索しているユーザーに広告を表示することになるので、なんらかの成果を獲得しやすい広告です。

リスティング広告の課金方法はクリック課金が中心です。一般的に相場は1クリックあたり100円~1,000円といわれますが、商材やキーワード・ターゲットなどの設定により大きく変動します。

 

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告の例

▲ディスプレイ広告の例(画像の赤枠で囲んだ箇所)
【Yahoo!ニュース|tenki.jpより】

ディスプレイ広告は、さまざまなWebサイトやアプリに広告配信枠を持つアドネットワークにおいて、ユーザーの属性やWebサイト上の行動に基づいて表示される広告です。テキストだけでなく、画像や動画を使った広告を出稿できます。ディスプレイ広告のネットワークとしては、Googleディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo!ディスプレイ広告(YDA)が代表的です。

こんな場合におすすめ

企業やブランド、商品の認知度を高めたい

リーチできるターゲット層

既存顧客

顕在層

準顕在層

潜在層

掲載場所

Webサイトやアプリの広告配信枠

課金方法

クリック課金

インプレッション課金

費用相場

50円~200円

※商材や設定により異なる

ディスプレイ広告は、広告を表示したいユーザーの属性やWebサイト上での行動をターゲットとして設定でき、ユーザーが日頃閲覧しているWebサイトやアプリに広告を表示できるので、自社のことを知らない潜在層にもリーチが可能です。一方で、自社のWebサイトを訪れたことのあるユーザーをターゲットとして設定することも可能で、この手法はリターゲティング(リマーケティング)と呼ばれます。

ディスプレイ広告の課金方法は、クリック課金またはインプレッション課金です。相場は、一般的にクリック課金では1クリックあたり50円~200円、インプレッション課金では1,000回表示につき数十円~数百円といわれますが、商材やターゲットの設定により大きく変動します。

 

YouTube広告

youtube広告イメージ画像Google広告ヘルプ「動画広告フォーマットの概要」より

YouTube広告として一般的なのが、「インストリーム広告」と「バンパー広告」です。インストリーム広告は、動画再生の前後または途中で表示され、スキップ可能なものとスキップ不可のものがあります。バンパー広告は、スキップ不可の短い広告です。いずれもYouTube動画再生ページまたはGoogle動画パートナー上のWebサイト・アプリに表示されます。

その他にも、YouTubeの検索結果・関連動画の横・モバイルのトップページに表示される「インフィード広告」や、YouTubeのホーム・次のおすすめ・Discoverフィードなどに表示される「ファインド広告」など、いくつかの種類があります。

こんな場合におすすめ

企業やブランド、商品の認知度を高めたい

企業やブランド、商品への興味関心を高めたい

リーチできるターゲット層

既存顧客

顕在層

準顕在層

潜在層

掲載場所

YouTube動画・プラットフォーム

課金方法

クリック課金

インプレッション課金

視聴課金

費用相場

1再生あたり3~20円

※商材や設定により異なる

YouTube広告は、キーワードやユーザーの属性や行動、Google広告のデータなどを基にターゲット設定を行います。幅広いターゲット層にリーチが可能ですが、特にYouTube動画の前後または途中に再生される動画広告は、必ず視聴されるものであるため、認知度向上に効果的と考えられます。

YouTube広告の課金方法は、広告の種類によって異なりますが、インストリーム広告では視聴課金またはインプレッション課金、バンパー広告ではインプレッション課金となります。商材や設定、広告の種類によっても変動するので、上表の費用相場はあくまでも目安として参考にしてください。

 

Facebook広告

Facebook広告の例

▲Facebook広告の例(画像の赤枠で囲んだ箇所)

Facebook広告を管理する「Facebookマネージャ」では、Facebookと同じくMeta社が運営するInstagramの広告も管理できます。

Facebook広告の基本となるのが、フィードや右側の広告枠に表示される広告です。その他、ストーリーズや検索結果、Messangerなど、さまざまな広告枠があります。Facebookはビジネス目的で利用するユーザーも多く、BtoB商材の広告にも活用しやすい媒体です。

こんな場合におすすめ

企業やブランド、商品の認知度を高めたい

企業やブランド、商品への興味関心を高めたい

問い合わせや申込、資料請求などなんらかのCVを獲得したい

リーチできるターゲット層

既存顧客

顕在層

準顕在層

潜在層

掲載場所

フィード

右側広告枠

ストーリーズ

検索結果

Messanger など

課金方法

クリック課金

インプレッション課金

費用相場

1クリックあたり100円~200円

※商材や設定により異なる

Facebook広告は、Facebookユーザーの登録情報やFacebook上での行動を基に、こまかなターゲティングが可能です。このため、幅広いターゲット層にリーチできます。広告の目的に応じて、適切なターゲットを設定しましょう。

1日あたりの広告費の最低金額が100円で、一般的に1クリックあたり100円~200円が相場といわれることが多いですが、商材や設定により大きく変動します。

 

Instagram広告

Instagram広告の例-1 Instagramの例-2

▲Instagram広告の例

Instagram広告は、画像や動画での訴求が強い広告です。また、フィードやリール、ストーリーズで通常の投稿のような広告を出すことができるのも特徴です。広告っぽさがなく、ユーザーが通常の投稿に近い感覚で閲覧することが期待できます。

こんな場合におすすめ

企業やブランド、商品の認知度を高めたい

企業やブランド、商品への興味関心を高めたい

問い合わせや申込、資料請求などのCVを獲得したい

リーチできるターゲット層

既存顧客

顕在層

準顕在層

潜在層

掲載場所

フィード

リール

ストーリーズ

課金方法

クリック課金

インプレッション課金

視聴課金

インストール課金

費用相場

1クリックあたり40円~100円

※商材や設定により異なる

Instagram広告も、Facebook広告と同様にこまかなターゲティングが可能です。Instagramにはショッピング機能があり、ユーザーの購買意欲が高いSNSといわれます。そのため、認知拡大や興味関心の向上にとどまらず、広告を経由して購入などのユーザーのアクションにつなげやすいと考えられます。ECサイトと相性の良いSNSであるともいえます。

費用相場は、一般的に1クリックあたり40円~100円といわれますが、商材や設定により変動するため、あくまで目安として参考にしてください。

 

Twitter広告

twitter広告 twitter広告-テイクオーバー

Twitter for Business「Twitter広告のフォーマット」より

Twitter広告は、Twitterに表示できる広告。タイムラインに表示される広告を基本として、「テキスト」「画像」「動画」による広告の他、最大6つの画像・動画を使用できる「カルーセル広告」、一連のツイートをまとめられる「モーメント広告」があります。また、タイムライン以外にも、おすすめユーザーボックスやトレンドに広告を出すこともできます。

こんな場合におすすめ

企業やブランド、商品の認知度を高めたい

企業やブランド、商品への興味関心を高めたい

アプリインストール数を増やしたい

リーチできるターゲット層

既存顧客

顕在層

準顕在層

潜在層

掲載場所

タイムライン

おすすめユーザーボックス

トレンド[話題を検索]タブ上部

トレンドハッシュタグ直下

動画パブリッシャーの動画コンテンツ前

課金方法

クリック課金

インプレッション課金

視聴課金

フォロー課金

エンゲージメント課金

インストール課金

費用相場

クリック課金 24円~500円

インプレッション課金 400円~800円/1,000回表示

視聴課金 5円~100円

フォロー課金 40円~200円

エンゲージメント課金 50円~250円

インストール課金 100~500円

※商材や設定により異なる

Twitter広告は、ユーザーの属性の他、フォローしているアカウントやキーワード、その他Twitter上での行動を基にこまかなターゲティングが可能です。そのため、Twitter広告の目的やリーチできるターゲット層は多岐に渡ります。

Twitterの利用者は20~40代が多いため、この世代を中心にターゲットを絞っていきましょう。また、Twitterは、RTなどの機能により拡散性が高いという特徴があります。このことから、ユーザーの自社に対する認知度や興味関心の向上が期待できます。

Twiiter広告の課金形態は、フォーマットにより異なります。上表の費用相場にまとめていますが、あくまでも目安で、商材やターゲットの設定により大きく変動します。

 

運用型広告で失敗しないための5つのポイント

運用型広告で失敗しないための5つのポイント
運用型広告でよくある失敗を防ぐために、次のポイントを踏まえ運用を行いましょう。


1.商品と目的に合う媒体を選ぶ

運用型広告で最初に重要なのが媒体選定です。本記事で紹介しているように、運用型広告には種類があり、媒体によってリーチできる層や期待できる効果が異なります。また、たとえば同じ「準潜在層」にリーチできる広告でも、媒体によって中心となるユーザーの年代などの属性が異なります。

そこで、媒体選定の大きな基準となるのが、以下の3点です。

  • 商品のターゲットとするユーザーがよく利用している媒体
  • 広告出稿の目的に適した媒体
  • 商品に合ったクリエイティブを表示できる媒体

運用型広告は、少ない予算から出稿でき、予算を調整しやすい広告です。ひとつの媒体に限定する必要はなく、自社の商品や目的に合いそうないくつかの媒体に出稿した上で、反応の良い媒体に重点的に予算をかけることもできます。

また、広告の種類によって、クリエイティブに必要な素材が異なります。たとえば、リスティング広告はテキストのみですが、ディスプレイ広告は画像や動画も使えます。商品を訴求する際に、どのようなクリエイティブが向いているのかも、媒体選定において重要です。

注意点として、ディスプレイ広告は、アドネットワークごとの配信先が重複している場合があるので、その点は考慮に入れましょう。また、BtoB商材の広告を出稿する場合、リスティング広告やディスプレイ広告、Facebook広告など、仕事でも利用する媒体に絞って出稿することをおすすめします。


2.PDCAを回しながら改善を続ける

運用型広告は出稿したら完了ではなく、PDCAを回し、改善を重ねることが重要です。広告出稿後は、ターゲットとしているユーザーから狙った効果が得られているか確認しましょう。大きな見直しはひと月ごとでも問題ありませんが、日々の数字の変化は確認して、大きな動きがあったときはすぐに対応できる運用体制を作っておきましょう。

想定した効果が得られない場合、ターゲットに対して広告のクリエイティブが適切でない可能性があります。クリエイティブを変更して、変化があるか確認します。また、想定していたターゲット以外からの反応が多い場合、ターゲット設定そのものを変更したほうが良い場合もあります。


3.広告だけでなく誘導先サイトの改善もおこなう

広告をクリックして遷移した先のWebサイトやLPなどが、広告で興味を持ったユーザーにとってイメージしたものと違っていると、ユーザーの離脱が起きてしまいます。特に、広告の表示回数やクリック数などは悪くないのに、コンバージョンに結びつかない場合、このことが原因である可能性が高いです。

広告の画像や動画、テキストなどのクリエイティブと遷移先のデザインや内容には統一感を持たせ、大きな乖離がないようにしましょう。


4.競合他社の広告をチェックする

運用型広告の各媒体において、競合他社が出稿している広告があれば、クリエイティブと遷移先、どのようなターゲット設定と考えられるか、確認しましょう。自社の広告に足りない点が見つかるかもしれません。また、自社が出稿していない媒体に競合他社が積極的に出稿している場合、その媒体は自社の広告でも効果が出せるかもしれません。


5.運用にかかる時間・コストの適正化

広告の運用は、こまかな設定ができ、さまざまなデータを取得できる分、改善のためのデータ分析などに時間がかかりがちです。広告についている機能や運用型広告の支援ツールなどを活用して、短縮できる時間は短縮しましょう。なお、広告運用を代行してくれるサービスもあります。

また、運用型広告の広告費は入札制という仕組み上、出稿する人が多くなるほど値上がっていきます。広告費をかければ一定の効果は見込めるため、出稿を止めにくいという状況も起こりがちですが、広告費に見合った効果が得られているのか、確認が必要です。その際、広告出稿に関わっているスタッフの工数なども考慮します。状況によっては、広告以外の集客方法を強化したほうが良い場合もあります。


まとめ:ターゲット設定と日々のPDCAが重要

ターゲット設定と日々のPDCAが重要

運用型広告は、ターゲティングや効果測定がこまかくでき、この特徴を活かせば、コストを抑えながら大きな成果を出せます。一方、広告を配信したいターゲットやクリエイティブが曖昧だと、いまひとつ効果が感じられないままになってしまいます。

運用型広告では、広告の種類を問わず、まずはターゲット設定に注力しましょう。そして、本記事で解説したように、ターゲットに合う媒体を選び、PDCAを回しながら改善を続けます。PDCAを回しやすいのも運用型広告の特徴なので、活用しましょう。



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