Skip to content

コーポレートサイトをリニューアルする目的と進め方を紹介

コーポレートサイトはただ会社や商品・サービスを紹介するものではなく、目的に応じた運用をすることで、認知度アップからリード獲得、採用活動など、さまざまな成果を得られる存在になります。

本記事では、コーポレートサイトをリニューアルする際の目的・メリットについていくつかのパターンを紹介するとともに、リニューアルの進め方と注意点を解説します。

また、実際にコーポレートサイトリニューアルに携わるディレクターから、目的・目標設定のやり方や、社内承認の取り方についてのアドバイスを紹介します。

 

 

コーポレートサイトリニューアルの目的とメリット

リニューアルのメリット-2
コーポレートサイトは、企業に関する総合的な情報発信を行うWebサイトです。企業概要や事業内容、製品・サービス情報、IR情報、お知らせ、採用情報などを発信します。

その企業について知りたいと考えたときにまず調べられるのがコーポレートサイトであり、企業に対する問い合わせの窓口にもなる、重要な存在です。

 

コーポレートサイトの運用目的

一般的に、コーポレートサイトの運用目的としては以下のようなものがあります。

  • 認知拡大:その企業や商品・サービス、関連情報を調べている人に対して情報を提供する
  • リード獲得:その企業や商品・サービスについての問い合わせ・資料請求を獲得する
  • 人材獲得:採用に関する情報を発信する、求人への応募を獲得する
  • 株主・投資家への情報発信(IR情報)


リニューアルのタイミング

コーポレートサイトは、日々の運用のなかで情報の更新・追加を行います。しかし、それだけで対応できない課題が出てきた場合、リニューアルを検討することになります。

コーポレートサイトのよくある課題としては、以下のようなものがあります。

  • アクセス数が少ない
  • リード獲得につながっていない
  • デザインが古くなっている
  • 情報が不足している
  • ページの構造が複雑で分かりにくい
  • 表示速度が遅い
  • スマホで見にくい


アクセス数が少ないとそもそも企業や商品・サービスについて十分な人に情報を届けることができていません。

デザインの古さや情報の不足、ページ構造の分かりにくさは、せっかくサイトに訪れてくれた人にネガティブな印象を与え、リード獲得にもつながりにくくなるでしょう。

コーポレートサイトを立ち上げてから数年程度で、デザインが昔っぽくなっていたり、情報を追加していくうちにページ構造が分かりにくくなっていたりするので、定期的に見直すことが大切です。


また、現在のインターネット利用の主流はスマートフォンで、ユーザーはインターネット利用にスピードを求めます。表示に時間がかかるサイトやスマホで見にくいサイトはネガティブな印象を持たれますし、ページ離脱につながります。

 

リニューアルのメリット

前述のようなコーポレートサイトの課題に対して適切なリニューアルを行うことで、次のようなメリットを得ることができます。

  • サイトへのアクセス数の増加
  • 企業や商品・サービスの認知度向上
  • リード獲得の増加
  • 人材採用の効率化
  • サイト運用コスト削減


サイトへのアクセス数の増加

SEO対策も念頭に、コーポレートサイトを訪れるユーザーが求めている情報を充実させることで、検索で表示されやすくなり、アクセス数の増加につながるでしょう。


知度向上、リード獲得の増加

訪問ユーザーにとってそのサイトがなじみやすく分かりやすいものであれば、サイトをしっかりと見てもらえる可能性が上がり、企業や商品・サービスの認知度向上やリード獲得につながりやすくなります。


人材採用の効率化

サイトで会社や事業、商品・サービスについて正確に発信することで、採用の際に求める人材とマッチしやすくなる可能性もあります。


サイト運用コスト削減

サイト運用コスト削減については、CMSの導入がおすすめです。CMSとはContents Management Systemの略で、HTMLやCSSなどのサイト構築に関する知識がなくとも、ブログのような感覚で簡単にサイトのコンテンツを作成・管理できるシステムのことです。

導入や利用にコストはかかりますが、更新頻度が多いWebサイトでは、CMSを導入することで、コンテンツの作成や更新を社内で簡単に行なえるようになるので、中長期的に見るとコスト削減につながります。

 

リニューアルの進め方

コーポレートサイトのリニューアルは、基本的に次のようなフローで進めます。

  1. 現状を分析して目的・課題を整理する
  2. 課題解決のための目標・指標・要件を明確にする
  3. リニューアルのための人員・予算を確保する
  4. サイトを制作する
  5. チェック後、公開する

 

1.現状を分析して目的・課題を整理する

コーポレートサイトのリニューアルにあたっては、まず、サイトの現状を分析しましょう。コーポレートサイトの運営目的を踏まえ、何が課題になっているのか整理します。

前述しましたが、コーポレートサイトのよくある課題としては、以下のようなものがあげられます。

  • アクセス数が少ない
  • リード獲得につながっていない
  • デザインが古くなっている
  • 情報が不足している
  • ページの構造が複雑で分かりにくい
  • 表示速度が遅い
  • スマホで見にくい


課題と合わせて、コーポレートサイトでどのようなユーザーに向けて情報を発信したいのか、ターゲットも明確にしましょう。

コーポレートサイトの分析では、以下のようなツールも役立ちます。


既存サイトにおいてよく読まれているページやコンテンツ、流入やリード獲得につながっているページやコンテンツは、リニューアル後も引き継ぐようにしましょう。逆に、あまり読まれていないページやコンテンツは、リニューアルを機に改善を検討します。

また、同業他社や競合のサイトと比較することで、自社のサイトに足りない点、取り入れたほうが良い点を見つけることもできます。

 

2.課題解決のための目標・指標・要件を明確にする

コーポレートサイトの目的と課題を整理できたら、それに基づき、リニューアル後の具体的な目標(KGI)、目標の達成度合いを測る指標(KPI)、KPIを達成するために何が必要なのか(要件)を明確にします。

たとえば、コーポレートサイトでのリード獲得という目的に対して、次のような課題が考えられたとします。

  • そもそもサイトへのアクセス数が少ない
  • サイト内のページがあまり回遊されておらず、直帰率が高い
  • 情報が更新されていないところがある


この場合、目標とするリード獲得数をKGIとして、コーポレートサイトのPV、回遊率、更新頻度などをKPIとします。そして、それらのKPIを達成するために、リニューアルにおいて必要なことを考えます。

たとえば、以下のようなことが考えられます。

  • SEO対策を行う
  • 最新の情報を基にページ構造を見直す
  • 検索ニーズの高そうなコンテンツを追加する
  • 簡単にコンテンツを更新できるCMSを導入する

こういった感じのサイトやコンテンツを作りたい、こういった機能をつけたいなど、リニューアルの参考になるサイトがあれば、その情報もまとめておきます。

 

3.リニューアルのための人員・予算を確保する

コーポレートサイトリニューアルのKGI・KPI・要件を明確にすることで、リニューアルに必要な人員や時間が見えてきます。

コーポレートサイトのリニューアルでは、社外に業務を発注することが多くなります。外注先の選定では、外注が必要な業務を明確にした上で、自社のニーズに応じたサポートが受けられるかきちんと確認しましょう。

既存のサイトの課題やそれを解決するためのKGI・KPI・要件について、自分たちだけで正確に把握できているか不安がある場合、単純なサイト制作だけでなく、課題の洗い出しからサイト運用までサポートしてくれる外注先がおすすめです。

逆に、課題や作りたいコーポレートサイトが明確になっている場合は、シンプルに制作のみを請け負う制作会社に依頼することでコストを抑えることができます。

見積もりを取る際は、できるだけこまかな項目で費用を出してもらい、不明点は都度確認しましょう。そうすることで、過不足のない依頼ができます。CMS導入を検討する場合は、外注先によって対応できるCMSが異なるので、導入および利用にかかる費用と合わせて確認しましょう。

また、ドメインサーバーについて既存サイトを制作した会社など外注先が管理しており、リニューアルで外注先を変更するという場合は、管理の移行のための手続きをあらかじめ確認しておきます。場合によっては、リニューアルによりドメインを変更する必要が生じることもあります。

なお、コーポレートサイトリニューアルを社内で進める場合は、既存業務と並行して進めることを前提に、無理のないスケジュールを組みましょう。

 

4.サイトを制作する

サイトの制作は、以下の手順で行います。


4-1.ワイヤーフレームの作成

Webサイトの制作にあたっては、まず、Webサイトの設計図とも呼べるワイヤーフレームを作成します。これは、リニューアルでも同様です。

ワイヤーフレームでは、Webサイトのレイアウトやコンテンツの配置を決めます。リニューアルの場合、既存のコンテンツをベースにして新旧のページ・コンテンツを対比して確認していきます。そして、リニューアル後も引き継ぐものと削除するもの、変更が必要なものや新規作成が必要なものを決めていきます。

 

4-2.デザイン決め

ワイヤーフレームを作成したら、サイトのデザインを決めます。既存デザインから大きな変更を行う場合は特に、こまかい部分まで齟齬がないよう、関係者間ですり合わせを行いましょう。デザインは言葉だけでは伝わりにくいところもあるので、参考にしているサイトや画像などがあれば共有します。

 

4-3.コンテンツ作成

デザインが決まったら、ワイヤーフレームに沿って必要なコンテンツを作成していきます。サイトの分析を基にして、ユーザーによく閲覧されていたり、リード獲得につながっていたりする有益なコンテンツはリニューアル後も内容を引き継ぐようにします。

コンテンツの作成を外注する場合でも、使用する画像や情報などの素材を依頼する企業側で用意する必要が生じる場合があります。外注先と情報を共有しながら、どのような素材が必要なのかを整理した上で進めます。

また、コンテンツに使用する画像や動画、テキストの著作権を確認しましょう。

既存サイトに使用していたものを継続利用する場合、たとえばサイト立ち上げ時に制作を依頼した制作会社が著作権を持っているなどの事情で、そのままリニューアル後のサイトに使用できない可能性があります。

同時に、リニューアル後のサイトに使用する画像や動画、テキストについては、今後も継続して使用できるようにしておきましょう。

 

4-4.コーディング、組み込み

コンテンツが作成できたら、コーディングやCMSへの登録を行い、サイトに組み込んでいきます。

 

5.チェック後、公開する

コーポレートサイトに必要なコンテンツがすべて組み込まれたら、リニューアル後のサイトが想定通りに表示されて動くか、テスト環境でチェックを行いましょう。

コンテンツに間違いがないか、表示におかしなところがないか、動作不良は起きないかなどを確認します。問題がなければ、本番環境で公開します。

リニューアル後の注意点


コーポレートサイトのリニューアルは公開して終わりではありません。公開と合わせて次のことも行いましょう。

 

ドメイン・URLの変更への対応

コーポレートサイトリニューアルによりURLが変更になった場合、旧URLから新URLへリダイレクト設定を行います。これにより、旧URLをクリックしたユーザーを新URLへ転送できます。

このリダイレクト設定をもれなく行うためにも、サイトの設計を進めるなかで、どの旧ページにどの新ページが対応するのか、新しく作るページはどれなのか、管理しておく必要があります。

また、コーポレートサイト以外にのWebサイト、チラシやパンフレットなど、コーポレートサイトのURLが記載されているものがあれば新URLに変更します。

URLだけでなくドメインが変更となった場合は、Google Search Consoleにドメイン変更を通知します。これにより、リニューアルによって検索結果の表示順位が大きく下がることを防ぐことができます。

 

クローラーへの対応

検索エンジンの表示順位を決めるためにインターネット上の情報を収拾するプログラムを、クローラーといいます。検索結果に表示されるためには、クローラーにWebサイトの情報を正しく読み取ってもらう必要があります。

そのために、Webサイト内のWebページの情報をクローラー向けにまとめたXMLサイトマップというファイルを作成して、Google Search Consleを通じて送信します。

また、リニューアルの作業は、クローラーによるリニューアル後のサイトの情報収拾を拒否する設定にして行うことがあります。その場合、サイト公開後にクローラーの情報収拾を受け入れる設定に戻しましょう。

 

リニューアルを周知する

コーポレートサイトをリニューアルしたら、コーポレートサイトを見てほしいユーザーに伝わるよう、サイトリニューアルの周知に努めましょう。これにより、リニューアル後のサイトのアクセス数やリード獲得数の増加にもつながります。

たとえば、PR TIMESなどのプレスリリース配信サービスは、メディアや株主・投資家に情報を届けやすい方法です。また、メールマガジン配信企業公式SNSアカウント運用を行なっている場合、そこでもサイトリニューアルを知らせます。

 

PDCAを回す

コーポレートサイトリニューアルにおいても、他のWebマーケティング施策と同じく、PDCAを回して成果を上げていくことが大切です。

PDCAを回して成果を上げていくためには、リニューアルの最初の段階で、コーポレートサイトの目的と課題を明確にし、それを踏まえた目標(KGI)と指標(KPI)を設定することが重要です。

リニューアル後は定期的に分析を行い、KPIを達成できてるか、KGI達成に近づいているかを確認します。もし想定通りにKPIが達成できていない場合、その原因を分析して、サイトの改善を行う必要があります。

 

ディレクターからのアドバイス

-コーポレートサイトリニューアルにおいて目的・目標を設定し、社内で承認を取るときに押さえておくと良いポイントとは?

片岡 浩二さん

片岡 浩二さん(Webディレクター

現状のコーポレートサイトの詳細を数字で把握できるようにする。そして、"はたらきぶり"を金額で換算できるようするのが大切だと思います。

たとえば、問い合わせ1件あたりの価値を定義してあげる。1件の契約が100万円で10件商談したら1件契約が取れるとします。月10件の問い合わせから商談になるのが1件だとすると、1件の問い合わせの価値は1万円です。

コーポレートサイトは年間で120万の価値を生み出していると言えます。「リニューアルによって問い合わせを3倍にします。」と言えば、120万から360万の価値を生み出すようになるわけです。

コーポレートサイトを3年使うなら、増加見込み720万の予算が組めて、リニューアルにいくら振り分けるかといった論理が成り立ちます。

もし採用を目的にするならば、求人サイトや人材紹介事業者に払っている金額を元に話を組み立てます。「コーポレートサイトからの応募を増やせるならば、150万削減できますよ。」といった具合です。

インターネットの話になると自分の分からない世界だと理解しようとしない方も、金額に換算すると反応が変わります。ぜひ試してみてください。

 

【ディレクタープロフィール】

Webディレクター

片岡 浩二

愛媛県出身。大学卒業後、Webサイト制作会社に入社。キャンペーンサイト、コーポレートサイト、アプリ開発などの企画やディレクションに従事。
制作だけではなく運用に携わるために中小企業へ転職し、公式サイト運営やチラシ・DMなど印刷物のインハウス化など多岐に渡る業務を担当。
企画立案、制作ディレクション、運用施策とマルチにこなし、人に合わせたコミュニケーションをおこなうことから炎上しない安定感が魅力。
中小企業や店舗に寄り添ったWeb集客を提案し続けている。

 

リニューアル後、運用を続けていくことが大切

リニューアルの進め方

コーポレートサイトのリニューアルは、リニューアルして終わりではなく、リニューアルがスタートといえます。

 

コーポレートサイトというと、何となく会社や事業の紹介ができれば良いというイメージを持たれるかもしれませんが、本記事で紹介したように、コーポレートサイトをうまく活用すれば、さまざまなメリットを得られます。リニューアルをきっかけに、分析と改善を続けながら、成果を生み出すコーポレートサイト運用につなげましょう。

 

コーポレートサイトをどう改善したら良いか分からない、自社だけでは対応できないことがあるといった場合は、外部の専門家の力を借りることも検討してみてください。

 

ディレクターバンクでは、各社のWebマーケティング施策に合わせた経験豊富なプロフェッショナル人材をアサインする「Webマーケティング代行サービス」を提供しています。コーポレートサイトリニューアルについてもお気軽にご相談ください。

 

新規CTA