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企業Webサイトの運用で、見るべきGoogleアナリティクスのデータとは-お悩み相談Q&A

作成者: 烏田千洋|2020/2/12(水)

 

ディレクターバンクの烏田です。「お悩み相談Q&A」では、ディレクターバンクへご相談いただく、企業のデジタルマーケティング運用に関する様々な課題に、経験豊富なディレクターからのアドバイスをご紹介しています。

今回は、「自社のWebサイト運用で、Googleアナリティクスの見方がいまひとつわからない」という企業のWebサイト運用担当者様からのお悩みに、株式会社 Radical Ad の上級ウェブ解析士 細井雄崇(ほそいゆたか)さんからアドバイスをいただきました。

 

今回のご相談内容

Googleアナリティクスで、見るべき数字と見方がよくわかりません

自社のコーポレートサイトの運用を担当しています。コーポレートサイトでは、自社サービスの紹介と、サービスに関する問い合わせの受付を行っています。サイトの主な目的はサービスに関する問い合わせを受けて営業展開することです。

Webサイト運用で、Googleアナリティクスを利用していますが、いまひとつ活用しきれていないと感じています。漠然とユーザー数やPV数は毎日チェックしていますが、もっと見るべき数字や、データの見方があるのではないかと考えています。Googleアナリティクスで、見るべき数字と見方について、アドバイスをいただきたいです。

 

ディレクターからのアドバイス内容

意思をもってデータを見ると、ヒントが見つかります

Googleアナリティクス(以下、GA)は、管理しているWebサイトの様々なデータをきれいにまとめてくれて、ある程度の計算もしてくれますが、そこに答えが書いてあるわけではありません。

でも、ヒントはあります。GAのデータからヒントを読み解くためには、「仮説」が必要です。

例えば、担当しているコーポレートサイトに、新しい記事を掲載したとします。その記事を読みに来てくれるひとがいたら、単純にうれしいですよね。

ただ、それだけでは新しい記事を掲載したことで何の効果があったのか、なんだかよくわかりません。自分がやったことに対して、意思がないとそうなります。

自分の作った記事が、何人に読まれたら嬉しいのか。掲載前と比べて、問い合わせ数は増えたのか? 行った施策に求める効果の仮説をもって、それを評価するためにデータに臨めば、「見るべき数字」は自ずと決まってくるでしょう。

GAは、デジタルマーケティングにおける皆さんが実施した、様々な打ち手に対しての答え合わせをするための、ヒントを探すためのツールです

GAのデータを見るときのポイント

データを見るときのポイントは2つです。

  1. 比較対象を決めて見る
  2. 時間軸を変えて推移を見る

以下で、詳しく説明していきます。

 

1.比較対象を決めて見る

まず、大きく全体の傾向を把握します。例えば、「期間」を「一週間」で、「ユーザーサマリ」を見る。その「一週間」の状況を、行った施策と照らし合わせながら昨年の同時期や前週と比較してみるとよいでしょう。

その時に、昨年と同じ時期に同じ施策をしているのに、今年の方が来訪者数が減っているのであれば今年のやり方に問題があったと考えることができます。あるいは、逆に去年やった施策で、今年はやってないことがあればそれが影響しているとも考えられるでしょう。

 

 

2.時間軸を変えて推移を見る

時間軸を変えて推移を見ることで、そのデータの「特異点」を見つけましょう。

過去半年~1年間のデータを選び、「月」単位にしてみたり、「週」単位にしてみたり「日」単位にしてみたりして、確認します。

継続的なデータとしてみてみると「いつもとは違う点=特異点」を見つけやすくなります。

また、施策前後の変化量が上がり調子なのか下がり調子なのか。これも実施した施策と照らし合わせて検討します。

このように、データからヒントを得るためには、実施した施策と照らし合わせることが重要になります。そのためには、何をいつ行ったのか、メモ程度でもいいので控えておくことをおすすめします。GAには、グラフの日付に任意のメモを記入することができます。ここに記載しておけば、グラフと照らし合わせながら確認できるので便利です。

ポイントは最初から「小さな点」として見るのではなく、「大きな視点」で見るのがポイントです。

流れを把握して特徴を捉えた上で、施策や結果に対する仮設を立て、その上で徐々に深堀りしていくイメージです。

最初から「小さいな点」を分析しようとすると、分析になれていない場合、大抵失敗しますので、「大きな視点」で見ることを心がけてください。

あくまでも主役は施策です。GA上の数字がどうこうではなくて、施策した結果どうだったのか、それを踏まえてどうすべきなのかを考えることが大事です。

 

社内への報告は「点」ではなくて「線や面」を意識する

これは「GAあるある」なのですが、データと向き合っていると深堀りしすぎて、来訪者がこんなに増えました等、特定の成果にこだわった「点」の話をしてしまいがちです。

実際、アパレル企業のEC担当者だった頃の私がそうでした。施策がうまくいくと、グラフを見るのが楽しくてしかたなかったです。

そして、推移などを事細かく資料化し、意気込んで上司に報告したところ「それで?何を判断したらいいの???」と(笑)

例えば企業だと、経営者層・意思決定者層が求めているものは、例えば広告であればコスト、人件費をかけてもっとやるのか、今までやっていなかったことに投資するかといった判断のための材料です。

売上と紐づけて、この数字をどう次に生かすかをイメージした「線」の話のためのデータであることを忘れないようにしたいところです。

また逆にその施策が失敗だったとしてもなにが原因だったのか、次に生かせることは無いのか、Web意外の施策でできる可能性はないのかなどの次への「チャンス」というポイントも知りたいはずです。

これは「面」で考えるというか、Web施策だけにとらわれず、他の施策に活かせないかと考えることも重要だと思います。

また、これも「GAあるある」というか「Web担当者あるある」だと思いますが、数字が下がるとへこみます(笑)。ネガティブな数字しか見えない。GAを見たくなくなりますね。

でも、思い通り来なくても、なにかしら増えているものがあるはず。ここまでは来たな、でも売れなかったな、これがまずかったんだなと、ぜひ前向きに次へつなげる機会にしていただければと思います。

教えてもらった担当ディレクター

細井 雄崇(ほそい ゆたか)さん

アカウントエグゼクティブ/上級ウェブ解析士
大手アパレルメーカー(SPA)にて店長を経験後、オンラインストアを担当。部門マーチャンダイザー、制作ディレクター、サイトオペレーション構築、顧客分析、Googleアナリティクス解析など多種に渡り経験。

現在は株式会社 Radical Adにてウェブ広告運用代行やGoogleアナリティクスの解析を担当。上級ウェブ解析士。

You TubeにてGoogleアナリティクスの使い方などを発信中
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