ディレクターバンク(略してディレバン)の烏田です。インターネット上にあふれる様々なWebサイトやアプリ。検索やSNSなどで、求める情報や好みのコンテンツを見つけやすく便利になった一方、高度にパーソナライズ化された情報ネットワークのなかで、脈絡なくコンテンツに出会うという意外な発見が少なくなり、味気ないような気もします。
そこで、そんな情報の海の中から、ディレバン・メンバーが独自の視点(独断と偏見)で、いま気になるWebサイトやアプリをご紹介する新連載をスタート。
選択基準は、それぞれが「いま気になっている」ということだけ。メンバー同士も、お互い何を持ってくるか不明のまま、とにかく持ち寄ってご紹介します。そこに、文脈はありません。課題解決や、気づきなんかもないかもしれませんし、目新しくもないかもしれません。でも、もしかしたら意外な発見になったり、ちょっと面白がってもらえたり、ちょっとお役に立てたりするといいなと思います。
さて、今月は、何が出るでしょう? さっそくご紹介します。
※()内は、紹介者です。
「五七五オンライン」知らない人と俳句を作るアプリがくだらな面白い
https://www.freegame-app.com/entry/575
最近、暇なときについついやってしまうスマホアプリがこれ。
全く知らない人とペアになって、五七五を読むというのがシンプルで楽しい。
だいたいが、うまく五七五にならなくて、種田山頭火ばりの自由律になってしまうのだけど、それはそれで2人で途中からダベってる感じになって、妙にツボることがあります。
夏に恋人が見つけられなかった人とか、ぜひこのアプリで五七五のパートナーを見つけてみてはいかがでしょうか?お互い慰め合うも良しです。(棟近)
YADOKARI : スモールハウス・小屋・コンテナハウス・タイニーハウスから、これからの豊かさを考え実践するメディア
http://yadokari.net/
カッコいい&可愛らしい「家のようなもの」を紹介してくれている記事が満載で、数年前から、ちょいちょいチェックしてしまう。
「YADOKARI」は「ミニマルライフ」「タイニーハウス」「多拠点居住」といったコンセプトで、未来の住まい方や働き方を提案するサイトである。
ちなみに「タイニーハウス」というのは、米国発祥のコンセプトらしく「小さい家」ということらしい(しかし、日本でいう「狭小ハウス」とはまったく違う)。
世界中からネタを集めてくる情報収集力とか、いい感じの文章や写真のコンテンツ制作力とか、インターネットで仕事してきた側の人間として、なかなかグッとくるクオリティだと思うし、こんな世界も楽しそうと夢想させてしまうあたり、なかなかのメディア力だと思う次第である。(鶴久)
東京オリンピックが開催される2020年までに、世界の206の国と地域を振袖と帯に表現しようというプロジェクト「IMAGINE ONEWORLD-KIMONO-プロジェクト(キモノプロジェクト)」のWebサイトです。
一般社団法人イマジンワンワールド | KIMONO PROJECT
https://piow.jp/
206組ものユニークな振袖・帯を作るというスケールもすごいですが、注目するのは、その作家たちが“日本全国の着物、帯制作者のうち、工芸価値のある作品づくりが可能な制作者(サイトより引用)”であるということ。作家として参加されている職人のなかには、人間国宝級の方々もいて、私のような着物好きには垂涎のプロジェクトなんです。
着物産業は、斜陽産業と言われて久しいですが、この現状を打破したいと始められたもので、仕掛け人は、福岡県久留米市の着物専門店「きもの蝶屋」代表取締役社長、髙倉慶応さん。一般社団法人イマジン・ワンワールドを立ち上げ、代表理事として当プロジェクトを推進しています。
1964年の東京五輪で振袖姿の女性たちがメダルを運ぶ様子を、テレビの特集番組で見たことがきっかけで閃いたそうで、来る2020年の東京五輪に向けて、全国の作り手の力を結集することで1964年に勝る着物としての何かができるのではないかとプロジェクトをスタート。現時点で、122ヵ国の着物が完成、84ヵ国が制作中となっています。
作る着物は、日本の最高の技術をもった職人の手によるもので、日本の技術を守り発展させる機会にする、ただ伝統にのっとって作るのではなく、それぞれの作り手にそれぞれのチャレンジを求め、新しいものを生み出すことによって“文化を前に進めていこう”というコンセプトにも共感します。
何よりも、とにかく着物たちが素敵なんで、ぜひ、サイトをのぞいてみてほしい。ご贔屓のスポーツチームの国とか、ファンのアーティストの生まれた国とか、次の旅行先とか…どんなモチーフが選ばれ、どんな着物に仕上がっているでしょうか。まるで絵画のような友禅染めの着物や、超絶技巧の織の着物など、次の東京五輪でぜひ日の目を見ることを願っています。(烏田)