ディレクターバンク株式会社は、企業のWebマーケティングを顧客視点で最適化し支援する、企画・運用会社です。様々な分野の才能あふれるディレクター陣が、企業の担当者様とチームになって、日々Webマーケティング課題の解決に挑んでいます。
このコーナーでは、そんなディレクターバンク所属の多彩なWebディレクターにインタビュー。得意分野から個人的な趣味趣向まで、その魅力をご紹介します。
今回は、複数の企業に所属しながら、フリーランスとしてB2Bに特化したマーケティング支援を行うコンテンツディレクター 峯林 晃治(みねばやし・こうじ)さんをご紹介します。
コンテンツディレクター/伴走型コンテンツマーケター
峯林 晃治(みねばやし・こうじ)
PR漫画やホワイトペーパー、調査PR、オウンドメディアなど、コンテンツマーケティング支援サービスを提供。コンテンツ制作支援だけでなく、KPIの設計から運用までをカバー。事業会社にて7年間で60,000件以上のリードを獲得した実績あり。
――現在、コンテンツディレクターとしてご活躍されていますが、まずは、バックグラウンドとなるご経歴を教えてください。
峯林さん:大学卒業後、京都のIT系会社で、Webディレクターとしてキャリアをスタートしました。中小企業のWebサイト制作を、2002~3年頃にはもうSEOを軸として行っていました。
その会社では、パソコン教室もやっていましたので、アドビ系のソフトウエアやマイクロソフト系の講師も行っていました。いまはなき「マウスマスター」という称号ももらったりして(笑)。今でいうところのマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)です。
――学生時代に、専門として学ばれていたんですか?
峯林さん:いえ、大学では、経済学部でしたが、個人的にWindows95を買って面白がって使っていました。就職活動中に自分のホームページを作ったり。
Webディレクターの後は、SEOコンサルタントを経て、東京のソフトウエア事業会社のWebマーケティング担当に転職。7年ほど従事した後、自分でコンテンツディレクターとして事業化しようと独立しました。
――事業会社のWebマーケティング担当として、どのようなお仕事をされたのでしょうか?
峯林さん:主に、自社のB2Bサービスのコンテンツマーケティングを行っていました。
当時は、コンテンツマーケティングというとオウンドメディアとかSEOというところが盛り上がっていましたが、私が注目したのは「調査PR」でした。
アンケート調査をコンテンツマーケティングに活かしましょうということで、調査PRに関するセミナー講師として登壇したり、自社サービスのためのリード(メールアドレスなどの見込み顧客リスト)を獲得するために、自社で調査をやってそれをプレスリリースするという仕事を鬼のようにこなしていました。
毎月4~6本くらい調査を出して、それをずっと続けて、リードをじゃらじゃら獲得していましたね。
――リードを、じゃらじゃら…! 喉から手が出るほど欲しいです(笑)。具体的には、どういったことをされていたのですか?
峯林さん:ざっくりと、次のような流れです。
当時のミッションは、いかにコストを抑えてリードを多く獲得するかということで、自社の調査プラットフォームを利用して調査を行い、集計も自分で行っていたので、ほぼキャッシュアウトなくまわしていました。
――調査PRでは、調査内容によって獲得できるリードの質や量に違いはあるのでしょうか?
峯林さん:調査内容に応じて、とれる層が違いますね。調査PRによるコンテンツマーケティングのメリットは、ターゲットユーザーが、課題を認識しているのか、あるいは商材を認知しているのか、そういった意識段階ごとのすべてのパーチェスファネルに当てられる点です。
ただ、広く狙っていく分、リスティング広告などに比べて反応率は下がってきますので、そんな中でどうやって数をとっていくのかということが課題になります。
より多く反応してもらうための“面白い調査(=コンテンツ)”とは何かということを考えたことがあって、何周かまわって辿り着いたのが、「意外性と共感」というところでした。
あまり世の中の流れに逆らってもいけないし、先を行き過ぎてもいけない。ちょっと先とか、意外な角度から、「あ、なるほど」「確かにあるよな」そういう、みんなの興味・関心事を調査して出してあげると、メディアにも拾われて流入が生まれて、リードが獲得できる。その関係なんですよね。
――コンテンツマーケティングでは、ネタ枯れ問題に悩む担当者は多いです。面白いコンテンツテーマを、継続的に生み出していくコツはありますか?
当時の上司が言ってたのが、そういったものは、日々の気づきからしか生まれてこないとうことです。
みんなでゼロから集まって、ブレーンストーミングしましょうといってもなかなか出てくるものではありません。
自分自身が、ひとりの消費者、B2Bの企業担当者として、一日の中で今日はどんな気づきがあったのか、なんで自分はこれをコンバージョンしたのか、ふるまいながら考えていると、「あ、これ調査してみよう」となる。
なぜ自分は、毎日何件もメールを受けるけれども、このメールを開こうと思ったのか、そのように深堀りして、真因を考えて出てきたテーマは、ヒットしやすいと思います。
――現在は、フリーランスとして企業のWebマーケティング支援を行っておられます。どういった支援サービスがありますか?
峯林さん:現在は、B2B企業のコンテンツマーケティング支援として、ホワイトペーパー(eBook)の企画・制作、調査PR、オウンドメディアの企画・運用支援などを行っています。
最近は、ホワイトペーパーの制作に関してのお問い合わせが増えています。コロナ禍の影響で、展示会などのイベントがなくなっている中、関心が高まっていると感じますね。
――「伴走型コンテンツマーケター」と名乗られていますが、その思いを教えてください。
峯林さん:独立にあたり、自身のポジショニングを考えたときに、受託でもコンサルでもない、マラソンの伴走者のような立ち位置が良いと考えたんです。
伴走は、伴走する相手のことを知り尽くさないとできないことです。
以前、SEOコンサルタントをしていたときに、多忙を極めて顧客理解が至らないままピントのズレた提案を行い、お客様から私の仕事はコンサルではなく、ただの作業だとお叱りをうけたことがありました。
そんな経験と反省からも、現在では、まず顧客のこと、そして商材のことを深く理解した上で、マーケティング支援をすることを信条としています。そんな決意も込めて「伴走型」と言っています。
――B2Bに特化した支援を行っていますね。B2Bならではのポイントがありましたら教えていただけますか?
峯林さん:B2B商材の場合、B2Cと比べてターゲットユーザーのコンバージョンまでの意思決定期間が長いという特徴があります。そのため、中長期でコミュニケーションをとる必要があると考えています。
そのような中で、いまあるリードといかに関係をつくっていくのか、獲得後の関係づくりにおいてもコンテンツマーケティングの果たす役割は大きい。コンテンツ=あらゆるタッチポイントとして、見込み顧客との関係づくりを行っていくことが重要です。
また、B2Bではロジカルに意思決定がなされるというような言説もありますが、私は、B2Bにおいても、担当者がエモーショナルに決めている部分は大きいと思います。
ですから、B2Bでも、個人の感性に訴えるB2Cと同じような熱量をもって、一期一会で刈り取るようにことにあたるべき。ターゲット担当者の熱量をどこまで上げられるのか、そこがポイントですね。
――ご自身のWebサイトでも、マーケティングのノウハウ記事を配信されるなどコンテンツマーケティングを展開されています。ネタばれしすぎでは? と思うほど、具体的にノウハウを出されている印象ですが、考えをお聞かせください。
峯林さん:まずは、コンテンツマーケティングの自社実践ということですね。ビジネス漫画での事例紹介など、自身のノウハウを詰め込んでいます。
現在は、独立後のブランディングのフェーズと考えていますので、信頼獲得のための情報発信が主眼です。フェーズが変わってくれば、もっと出し惜しみしていくかもしれません(笑)。
――人物を知るために、趣味や今後やりたいことなどをお伺いしております。
峯林さん:最近は、Netflix (ネットフリックス)でアニメや映画を観るのにハマってます。ネットフリックスは、オープニングがスキップできていいんですよ。レコメンドもよくできていて、サムネイルが毎回変わるですよね。よくできていると思います。
もっと明るめの趣味で言うと(笑)、UberEATS(ウーバーイーツ)や、ポケットマルシェで、お取り寄せも好きで、よく使っています。
後は、ギターを弾きます。最近は近所への音の迷惑を考えて弾けていないですが、フォークソングとか。もともと長渕剛が好きで、ハーモニカとギターで『巡恋歌』を歌ったり。学生時代は、バンドでビーチ・ボーイズとかザ・ビートルズとか。ドラムもやってました。
今後は、プライベートでは、3歳の息子とキャンプに行きたいと思っています。自粛期間中はキャンプ動画ばっかり見てました(笑)。結局まだ行けてませんが。
――最後に、Webマーケティングにお困りの企業担当者様へメッセージをお願いします。
峯林さん:まず今、B2Bマーケターは、リスティング広告などで短期的なリード獲得をするのではなく、ストックされるコンテンツの資産をつくっておくべきだと考えています。
その時に、どうしたらいいか分からないときは、一人で悩んでいると手詰まりになるのでお気軽にご相談ください。私自身、事業会社に勤めていた時は、広告代理店さんやメディアの方など、分かっている人に聞きまくりました。
インターネットでもある程度は調べられますが、それにも限界があるので、知見のある私みたいなひとに、ぜひ聞いていただければと思います。
撮影:原地 達浩