Instagram広告運用で成果をあげるための5つの運用ポイント解説
Instagramではじめて広告出稿を検討されている担当者向けに、Instagram広告の特徴やメリット、それらを活かして成果を出すために押さえるべき点など、基本として知っておきたいことをまとめました。自社のInstagram運用で成果がなかなか出ていないと感じている担当者は、運用改善のヒントにぜひお役立てください。
- Instagram広告の特徴とメリット
- Instagram広告の種類
- Instagram広告の費用
- Instagram広告運用で成果をあげるための5つの運用ポイント
- Instagram広告運用の注意点
- まずは仕組みをおさえて始めてみよう
Instagram広告の特徴とメリット
さまざまな配置に出稿できる
Instagramにおいて、広告が掲載される場所を「配置」と呼びます。Instagram広告では、Instagramアプリを開いて最初に表示される画面である「フィード」以外にも、ストーリーズ広告、発見タブ広告、リール広告、ショップ広告などの配置が用意されています。配置ごとにリーチできるユーザー層も異なり、広告の目的に応じ選択できます。
精度の高いターゲティング
Instagram広告では、以下の条件で広告配信先を調整できます。InstagramはFacebookと運営元が同じくMeta社で、Facebookに紐づくデータもInstagram広告で活用されます。
- 位置情報:国・都市、コミュニティなど
- 行動:過去の購入履歴やデバイスの利用状況など
- 利用者層データ:年齢、性別、学歴、役職など
- つながり:アカウント同士のつながり
- 興味・関心
また、すでに手元にあるユーザーのデータを基に「カスタムオーディエンス」や「類似オーディエンス」といった形でターゲットを絞ることもできます。
ユーザーに敬遠されにくい広告
画像引用:Instagram for Business
Instagram広告は、通常の投稿と投稿の間に表示され、広告であることの表示はあるものの広告感があまりない見せ方になっています。そのため、ユーザーが画面をスクロールしたり流し見たりするなかで、広告だという意識をあまり持たずに閲覧する可能性が高くなります。
また、Instagramは購買意欲の高いユーザーが多く、Instagramで投稿の発信や閲覧をただ楽しむだけでなく、ほしい商品・サービスを探すユーザーも多いといわれます。情報収集や交流が主な目的のSNSと比べると、広告が嫌われにくい環境と考えられます。
Instagramのビジネスアカウント向けサービスの紹介ページでは、「Instagramで広告を見るとブランドへの興味が高まる」と回答した利用者の割合が50%というデータもあります。
低予算から始められる
Instagram広告は100円前後から出稿可能です。もちろん、効果を出すためにはある程度の広告費は必要ですが、それでも、月額3万円程度から様子を見ることができます。Web広告のなかでは予算的にかなり始めやすい広告といえます。
出稿にかける予算は1日または期間全体のいずれかで設定でき、ターゲットの設定なども細かく行いながら、予算に合わせて柔軟な運用が可能です。
Instagram広告の種類
Instagram広告は、Instagram内で広告が表示される場所によって、5種類に分類できます。広告の種類ごとに、下表のような効果が期待できます。
効果 \ 種類 | フィード | ストーリーズ | 発見 | リール | ショップ |
認知度アップ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | |
Webサイト等への集客 | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
フォロワー獲得 | ✔ | ✔ | |||
アプリのインストール | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | |
リード獲得 | ✔ | ✔ | ✔ | ||
コンバージョン | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
商品の販売 | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | |
実店舗等への集客 | ✔ | ✔ |
Instagram広告には、画像および動画を利用できます。また、「カルーセル形式」というフォーマットでは、1つの広告に複数の画像・動画とそれぞれの見出し・説明・リンクなどを付けることができます。
フィード
画像引用:About the Instagram Ad Placement | Meta Business Help Center
フィードは、Instagramアプリを開いたときに最初に表示される場所で、フォロワーの投稿や、ユーザーの興味・関心に近い投稿がInstagramのアルゴリズムに基づき表示されます。フィード広告は、このフィードに表示されます。
フィードは、Instagramアプリを利用する場合はすべてのユーザーが必ず閲覧します。そのため、フィード広告は、Instagram広告のなかでも多くのユーザーに表示される可能性があり、幅広い効果を狙えます。
ストーリーズ
画像引用:
About Stories | Meta Business Help Center
Create Instagram Stories Ads in Meta Ads Manager | Meta Business Help Center
ストーリーズは没入感の高いフォーマットが特徴です。スタンプ、絵文字、GIFなどのクリエイティブツールや、組み込みのカメラエフェクト、拡張現実と呼ばれるエフェクトなどを使用して、投稿を編集加工できます。ストーリーズへの投稿は、保存しない限り24時間後に削除されます。投稿が公開されている間は、フォロワーのInstagram画面上部に投稿主のアイコンが表示されます。
ストーリーズ広告は、ストーリーズの投稿と投稿の間にフルスクリーンで表示されます。画像、動画、またはカルーセル形式で出稿可能です。ストーリーズ投稿と異なり、ストーリーズ広告は、24時間経っても消えません。
Meta社のビジネスアカウント向けヘルプセンターに掲載されている情報によると、全世界のInstagramユーザーの半分以上が毎日ストーリーズとフィードを使用しているそうです。このことから、ストーリーズがユーザーによく見られていることが分かり、ストーリーズ広告の認知効果が期待できます。
さらに、没入感の高いフォーマットや、ユーザーの興味関心に沿った広告が表示されることから、検討、コンバージョンアクションなどの効果も期待できます。
発見タブ
画像引用:About Ads in Instagram Explore | Meta Business Help Center
発見タブは、Instagramホームの虫眼鏡アイコンからアクセスできます。発見タブには、ユーザーの興味・関心に基づいてピックアップされたコンテンツが表示されます。
発見タブ広告は、ユーザーが発見タブで写真や動画をクリックして閲覧しているときに表示される広告です。自分の興味・関心に合った新しいコンテンツやクリエイターを探しているユーザーにリーチできます。
発見タブ広告のクリエイティブには、フィード広告と同じものを配信できます。
リール
リールは、短尺の動画の録画・編集を行うことのできる機能です。Instagramホームのリールタブからアクセスできます。また、フォローしているアカウントのリール動画は、フィードにも表示されます。
リール広告は、リールタブ(Instagramホームの動画アイコン)に表示される広告です。リール広告のクリエイティブは、60秒以下の動画で、フォーマットはフルスクリーン縦型にする必要があります。
発見タブ広告と同じく、自分の興味・関心に合った新しいコンテンツやクリエイターを探しているユーザーにリーチできます。また、発見タブ広告よりもより気軽に流し見るなかでアプローチする広告といった印象です。
ショップ
ショップは、Instagaramアカウント上で商品カタログページを作成して、その販売サイトへリンクを付けることのできる機能です。Instagramのビジネスアカウントで利用できます。Instagramホームのショップタブ(Instagramホームの買い物アイコン)から、ショップ機能を利用している投稿を見ることができます。
ショップ広告は、ショップタブに表示される広告です。画像を利用できます。ショップタブを閲覧しているユーザーは購買意欲が高いため、ショップ広告は、ECサイトへの集客やそこでのコンバージョン、購入につなげやすい広告といえます。
Instagram広告の費用
Instagram広告では、広告の予算を1日あたりで割り当てるのか、掲載期間全体に割り当てるのかを選択できます。100円前後から出稿可能ですが、一定の効果を出すためには最低でも月3万円程度の予算を用意することをおすすめします。
・1日あたりで割り当てる:1日あたりに消化したい平均金額を設定します。上限ではありません。毎日同程度の金額を消化して安定した結果を得たい場合に有効です。
・掲載期間全体に割り当てる:広告の掲載期間全体で消化する用意のある合計額を設定します。超過してはならない上限となります。1日あたりの消化金額が変動しても良い場合におすすめ。特定の消化金額を超えることを防げます。
Instagram広告の課金方法は、広告表示(インプレッション)1,000回ごとに料金が発生するCPMが主流です。CPMの他に、クリック1回ごとに料金が発生するCPCや、アプリインストール1回ごとに料金が発生するCPI、動画の再生時間と再生数に応じて料金が発生するCPVなどの課金方法があります。
Instagram広告運用で成果をあげるための5つの運用ポイント
適切なターゲットを設定する
Instagram広告は、ターゲット設定をこまかくできる特徴がありますが、運用の根拠となるデータがあまり蓄積されていないときにこまかく設定しすぎないよう気をつけましょう。
広告があまり表示されていなかったり、表示されているものの反応が少なかったりする場合は、ターゲット設定が適切でない可能性があります。あるいは広告費が短期間に高騰している場合、ターゲットを狙いすぎたせいで競合が多くなっている可能性もあります。
まずはある程度広めにターゲットを設定し、データを基に適切なターゲットの条件を絞っていきましょう。
適切なクリエイティブを作成する
Instagram広告は、配置によって適切な画像・動画の比率や容量、ファイル形式などが異なります。必ず確認しましょう。
また、ターゲットと広告の目的、配置によって、効果的な画像・動画やテキストも異なります。広告のクリエイティブは使いまわさず、広告ごとに作成することをおすすめします。Instagram広告は、1つの広告セットで最大6枚のクリエイティブを設定可能です。並行して運用することで、狙うターゲットと目的に対してどのようなクリエイティブが効果的なのかデータから見えてくるはずです。
インサイトを活用してPDCAを回す
Instagram広告では、以下のようなインサイトを確認できます。
- エンゲージメント:いいね、コメント、保存の数など
- インタラクション:広告のアクションボタンをタップしたユーザー数
- リーチ:広告を閲覧したユニークユーザー数
- インプレッション:広告が見られた回数
また、アカウントやその投稿についても、さまざまなインサイトを確認可能です。これらのデータを基に、一カ月程度のスパンを目安にして、適切なターゲット設定やクリエイティブを調整していきましょう。データが貯まるほど、広告の効果が高まる運用が見えてきます。
情報をこまめにアップデートする
Instagramでは、新規機能の追加や広告メニューの拡充などのアップデートがよく行なわれます。最新の情報は、Meta社のプレスリリースなどで確認できます。
たとえば、最近では、2022年6月8日にお気に入りの投稿をプロフィールに固定できる新機能、2022年7月25日にはリール動画の機能アップデートなどが発表されました。
広告に直接は関係ないアップデートでも、Instagramの機能の拡充はユーザーの行動に変化をもたらします。主要なアップデートは一通りチェックして、広告に影響がないか確認しましょう。
ユーザー目線に立つ
SNSの企業アカウントや広告の運用において、データの分析に基づいた改善を重ねることは非常に重要です。一方で、データだけでは気づきにくいトレンド、そのSNSの空気感のようなものを、実際にユーザー目線に立つことで気づくことがあります。
可能であれば、ビジネスとしてのアカウント運用や広告運用とは別に、プライベートでの利用も行なってみることをおすすめします。本当にユーザーの目線に立ったときに、広告に対してどのような感じ方をするのか、どういった広告であれば興味を持てるのか、そのあたりの感覚はいちユーザーになってみないと分かりにくい部分です。
もちろん、感じ方は人それぞれなので、自分の体験がすべてに当てはまるわけではありませんが、本当のユーザー目線を体験することは、決して無駄にならないはずです。
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Instagram(インスタグラム)の企業アカウントを運用するメリット、コツ
Instagram広告運用の注意点
規約違反、審査落ちに要注意
Instagram広告を出稿するにあたっては、利用規約とポリシーをチェックして、違反行為のないよう注意しましょう。また、広告の掲載前には審査があり、審査に落ちると広告が停止してしまうので、審査落ちになっていないか定期的にチェックしましょう。
同じ文章や画像・動画、ハッシュタグを使いまわしてキャンペーンを行うと、「シャドウバン」といって、検索にひっかからない状態になることがあるので要注意です。
また、コミュニティガイドラインでは、以下のような記載があるため、キャンペーンで金銭や金券などを配る行為は禁止となります。逆に、抽選やコンテストで商品をプレゼントするなどの行為は問題ありません。
「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、金銭や金券などのプレゼントを申し出たりしないでください。
入札価格の変動に注意
出稿中の広告について、入札価格に大きな変動がないか、こまめにチェックしましょう。特に、自動運用の設定にしているときは注意が必要です。また、予算について、期間全体での上限を設定している場合、期間中にあまりに偏った消化になっていないかチェックします。価格が高騰して費用対効果が落ちている場合は、広告の一時停止などの対応が必要です。
アカウント連携を確認しよう
Instagram広告は、ビジネスマネージャというFacebookのツールを使うことで、複数のInstagramアカウントおよびFacebookアカウントも一緒に一元管理できます。非常に便利な機能ですが、何らかの原因でアカウント連携が切れてしまうと広告の出稿も止まるため、注意が必要です。
まずは仕組みをおさえて始めてみよう
Instagram広告は、いくつかの配置があるのが特徴的で、開始時に少し混乱しやすいところでもあります。しかし、出稿方法はそれほど難しくなく、通常の投稿をそのまま広告として出稿することもできます。また、低予算からスタートできるので、一通り仕組みが分かったら、気軽にチャレンジできる広告です。
ただ、効果をしっかり出そうとすると、本記事で紹介したようなポイントを押さえ、データの分析と改善を重ねていく必要があります。データをどのように活かしたら良いか分からない、クリエイティブがこれで良いのか分からないなど、自社だけでの対応に不安を感じたら、プロに相談するのもひとつの方法です。
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