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受注側のディレクターに聞いた、いい見積書のもらい方

受注側のディレクターに聞いた、いい見積書のもらい方

ウェブ制作の見積もりをとりよせてみたものの、思ったより高い見積もりが出てきてしまった。そんな経験をお持ちの方、結構多いのではないでしょうか。

なぜ、自分が思ったより高い見積もりが出てきてしまうのか?

発注側と受注側の何かしらのギャップがそこにあるからだと思うのですが、それは一体どのようなことで起こるのか。その原因を探るべく、見積もりを作っている受注側のディレクターに、何が見積もり金額に影響を与えるか、アンケートを取ったことがありました。
今回、その回答データの一部をご紹介したいと思います。

これから、ウェブ制作の見積もりを依頼する予定のある方にとって、何かしらの参考になれば幸いです。

受注側のディレクターに聞いた、「いい見積書」のもらい方アンケート実施概要

調査した期間は、2018年7月〜8月。アンケートの設問は以下の5問。Web制作や運営業務に1年以上携わっているディレクター約60名を対象に聞いてみました。

質問1)あなたが新規のクライアントから仕事を受ける時、重視しているポイントを教えてください。
質問2)あなたが見積書を作成する時、どのあたりの要素が見積もり金額に大きく影響してきますか?
質問3)見積もりのやりとりをした経験の中で、いい発注者との思い出があれば教えてください。
質問4)見積もりのやりとりをした経験の中で、嫌な発注者との思い出があれば教えてください。
質問5)発注者に対して、より適切な価格の見積もり書を取り寄せるためのアドバイスがあれば教えてください。

それでは、各設問の回答結果を以下、共有したいと思います。

新規のクライアントから仕事を受ける時、重視しているポイントとは?

新規のクライアントから仕事を受ける時、重視しているポイントとは?

質問1)あなたが新規のクライアントから仕事を受ける時、重視しているポイントを教えてください。

第1位:納期(スケジュールのタイトさ)
第2位:クライアントの発注予算規模
第3位:継続的な取引になりそうかどうか
第4位:自分が得意なジャンルかどうか
第5位:推進体制・役割分担

以下、フリーアンサーからの抜粋コメントです。

プロジェクトの準備状況と情報開示

「労働時間、予算、時間、追加で発注をしたい場合の条件や金額、納品後のフォロー等、諸々の条件をきちんと提示してくれているかどうか」

クライアントとのコミュニケーション

「連絡のやりとりがスムーズかどうか」

クライアントのITリテラシー

「クライアントのウェブに対する理解度」
「発注側の担当者のWEBに対する認識や感覚」

クライアント属性

「クライアントの熱意を重視します」
「相談相手、パートナーとして扱ってくれる企業文化かどうか」

見積もり金額に大きく影響する要素とは?

見積もり金額に大きく影響する要素とは?

質問2)あなたが見積書を作成する時、どのあたりの要素が見積もり金額に大きく影響してきますか?

第1位:全体の想定作業量
第2位:取り組み内容の想定難易度
第3位:依頼内容の煮詰まり具合
第4位:クライアントとのコミュニケーションコスト
第5位:要求されている納期

以下、フリーアンサーからの抜粋コメントです。

求められる品質・修正回数

「事前にわかりにくいですが、修正回数ですね」
「発注者に品質に対するこだわりがあるかどうか(多少品質が悪くても納期を優先するか等)」

素材の準備状況

「クライアントが要求を自分たちでまとめドキュメント化している(できる)か否か」
「素材の準備度合い(原稿があるか、写真はあるかなど)」

クライアントの関わり方、ポジション

「クライアント側の決裁フロー。掲載内容やデザインの承認を取るフローがチーム外に必要かどうか。チーム内に決裁者がいればスムーズに進むが、そうでなければやり取りのコストが増加する」
「一緒にやりましょうというスタンスがあると、こちらも頑張ろう(安く見積もろう)という気になります」

好印象な発注者とは?

好印象な発注者とは?

質問3)見積もりのやりとりをした経験の中で、いい発注者との思い出があれば教えてください。

以下、フリーアンサーからの抜粋コメントです。

「どういったことをやりたいのか、どのようなものにしたいのかが明確に説明できる熱意のあるクライアントは良かったです」
「先方上層部の空気感や熱量をちゃんと伝えてくれた。案件に対する真剣度が伝わったし、一緒に作り上げましょうという熱意がすごく伝わった」
「一緒になにかを創り上げたいという意識が明確にあり言葉の節々に見える人。そのための(めんどうな社内調整的な)アクションを主体的にやろうとする人」

印象の悪い発注者とは?

印象の悪い発注者とは?

質問4)見積もりのやりとりをした経験の中で、嫌な発注者との思い出があれば教えてください。

以下、フリーアンサーからの抜粋コメントです。
「『いくら位で何が出来ますか?納期は?』漠然とし過ぎて答えようが…」
「全部人に任せて得に自分はやりたいことが無い人。特にイメージなく『できれば安く」しか言わない人」
「事前に確認したにも関わらず後からの変更点が多いクライアント様」
「正直に話をしない、ヒアリングしても情報を出さない。結果的に良い提案ができないためコストの無駄遣いとなる」

よい見積書をもらうためのアドバイス

よい見積書をもらうためのアドバイス

質問5)発注者に対して、より適切な価格の見積もり書を取り寄せるためのアドバイスがあれば教えてください。

以下、フリーアンサーからの抜粋コメントです。

できるだけ条件を明確に提示する

「できるだけ仕様を明確にしておくことだと思います。仕様が曖昧だと、相見積もりをとっても、それぞれ仕様が違う状態で見積もりが出てくるので、比較になりません」

サンプルを提示する

こんなサイトにしたいなど、参考にしたいサイトがあれば機能面も含めて、こんなことがしたいのねとわかります
「過去の同規模の案件での発注単価情報があれば参考になります」

優先順位をつけておく

「何を最も重視するか、金額(安さ)なのか、納期(速さ)なのか、内容なのか、最も重視する点を明確にして欲しい」
「自分たちの要求をMUST、WANT、予算次第、みたいな優先度つきで文書化しており、やりたいことと外注したいこと、自分自身でやることをしっかりイメージしていると良いと思います」

背景、目的も共有しておく

「案件の背景など、全体像を共有するとプラスαの提案などが引き出せると思います/どのレベルの見積書か(社内の予算取りレベル/発注段階/相見積など)を提示しておくとズレが少ないと思います」
「その仕事を行う目的を明示することですね。取捨選択やプランBが出しやすいので」

まとめ

ここでいう「いい見積書」という言葉には、いろんな解釈があると思いますが、私としては、

1.依頼内容が両者で共有できている(目線合わせができている)上で、
2.予算内に収まる見積金額に着地できている見積書

が、発注者から見て(かつ受注者からも見ても)「いい見積もり書」になるのかな、と思います。

そのためには、発注者側の依頼内容を言語化するスキルや、適切な予算感を持っていることが大切になります。

一方で、そこまでのWEB制作の発注に関する知識や経験のない場合は、正直に「よくわからないので、そこから相談に乗ってほしい」と伝えることも大切だと思います。

ディレクターバンクでは、このようなWebサイトリニューアルの発注側のご担当者の支援(依頼内容などのドキュメント化、発注後の制作会社のディレクション)もおこなっております。もしお悩みのことがございましたら、お気軽にご相談いただければと思います。

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